見る言葉の世界

芙蓉園だより

年長児の異文化コミュニケーション教育。
これまで世界を旅してきましたが、今年度最後のテーマは「手話」です。

在園するお子さんのご家庭で、手話を使って生活をされているご家族がいらっしゃいます。
そしてそちらのお母さんは、手話指導をお仕事とされているプロフェッショナル。

子どもたちに手話というコミュニケーションの世界を体感して欲しいと、打ち合わせを重ね、今日を迎えました。

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まずは前提のお話。
手話とは、「耳の聞こえない人」が使用する、「見る言葉」であるということ。

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生まれた時から当たり前に聴覚があって、今日まで生活をしてきた子どもたちは、何を感じたでしょう?
自分とは違う境遇の方を想い、自分にはないその感覚を具体的に想像すること。
そこにはきっと「優しさ」の力が必要不可欠です。そしてそれはコミュニケーションの基本でもあると思います。

さて、続いて耳の聞こえない方が生活の中で困っていることについて、話は進んでいきます。
主に3つの話題が紹介されました。

① 生活で必要な音がすべて聞こえない、または聞き取りにくい。(聴覚の障害)
② 放送やラジオなど、音を介した情報を手に入れられない。(情報の障害)
③ 聞こえる人と話すことが難しい(コミュニケーションの制約)

手話通訳の方の言葉を介して、真剣に、時にユーモラスに語りかけるその内容に、子どもたちは引き込まれていきます。

そして手話の実践へ・・・

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既に日常の中で、手話の動きをしながら歌を歌うことを経験している子どもたちは、比較的スムーズに手話の動作ができているように見えました。
また年間を通じて手遊びをしている幼児期の子どもたちのとって、手話は馴染みやすいものなのかもしれません。

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最後には、通訳なしの状態で、手の動きだけに注目して、その内容を想像しようという試みが、、、。
じっとその動作に注目する子どもたちは、思わず同じ手の動きをしだしました。
これには先生もびっくり!
他の年代の子どもたちには見られない、始めての光景だったそうです。

言語は他者とコミュニケーションをとるための手段であり、それら一つ一つに優劣は一切ありません。
自分たちが普段使わない他のコミュニケーション手段、そしてその背景にある文化とよい出会いをすること。

学びの場として、昨今の英語至上主義をゆさぶりながら、子どもたちと更に深めていきたいと思います。

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